白鵬が全勝優勝で賜杯に花を添えた。鶴竜に攻め込まれた土俵際。本場所では初めてうっちゃりを決め「足が上がっていたから『やぐら投げ』と言ってほしかった。ギリギリの勝負で、全勝で良かった」と肩の荷を下ろした。古傷の左膝痛に加え、本場所中にも故障が発生していたが、しのいで貫禄勝ち。2年ぶりに安倍晋三首相から総理大臣杯を受け取ると、インタビューでは「2人の白鵬がいた。土俵を下りると優しい」と笑わせ、満員札止めの館内から喝采を浴びた。

 横綱10年目を迎える名古屋で、通算1000勝達成まで残り13勝。初日白星なら、大鵬を抜く5度目の30連勝となる。「頑張ります。いいね、燃えるよ」。目標へ突き進む横綱は、強い。