大相撲夏場所で自身の持つ最多記録を更新する37度目の優勝を決めた横綱白鵬(31=宮城野)が23日、一夜明け会見を行った。

 前夜は勝利の美酒に酔いしれた様子で「千秋楽パーティーも、2次会も、もう人、人でしたね。それぐらい、東京では久しぶりの優勝。待ちに待ったという感じだった」と振り返り、12度目の全勝優勝については「チョー気持ちいい」と、先月現役引退した競泳北島康介氏の名ぜりふを引き合いに喜びを表現した。

 最多記録を更新する12度目の全勝優勝だったが、3日目から右足親指に痛みを覚えていたという。「朝起きたら、歩けなかったんですよ。終わってみれば苦労話。勉強はしていたけど、それが生きたなあ」。普段は立ち合いで左足から踏み込むが、両足での立ち合いに変更した。引き出しの多さは、百戦錬磨の真骨頂。13日目には、綱とりの可能性もあった大関稀勢の里(29=田子ノ浦)との全勝対決に勝利し「今まで数十回戦っている、強い大関。あとは何か、ちょっとしたこと。1つのものを追いかけるのも大切だけど、相撲だけ努力してもダメ」などと持論を展開した。

 目標とする通算1000勝まで、あと13勝。9年前に横綱のスタートを切った名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)での達成へ「年に1回で、応援してくれる人たちもいる。そして、場所後の(7月)30、31日にモンゴルでアマチュア相撲の世界大会がある。目標を達成して、世界の相撲ファンにそういう姿を見せられれば」。角界をけん引する大横綱のスケールは、土俵外でも大きい。