東前頭10枚目の貴ノ岩(26=貴乃花)が、自己最多の11勝目を挙げて3敗をキープした。

 優勝の可能性が残されたのは、2敗で単独トップを走る横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)と、1差で追う大関稀勢の里(30=田子ノ浦)と貴ノ岩の3人という、本人も驚く? 展開となった。

 今場所1横綱、2大関を破っている西前頭2枚目の宝富士(29=伊勢ケ浜)と対戦。これまでの実績から格上の相手にもひるまず、突き押しや張り手、いなしで動き回り、最後は突き出しで快勝した。

 約15秒の攻撃相撲は、本人も「必死であまり覚えていない」というほど激しいものだった。その「必死」という2文字を何度も使い、優勝争いについても「顔じゃないっす」と謙遜した。

 顔がほころんだのは、同じ09年に初土俵を踏み、教習所が同期の宝富士に勝ったことを振られてから。「同期は強い人が多いから必死。うれしいっすね」と口元を緩めた。さらに、三賞の可能性に触れられると「(候補に名前が)挙がりますかね」とニヤリ。千秋楽の嘉風戦に向けて「気合入れていきます」と引き締めた。