小さな大横綱が天国に旅立った。大相撲の元横綱千代の富士の九重親方(本名・秋元貢)が7月31日午後5時11分、膵臓(すいぞう)がんのため、東京・文京区内の病院で死去した。61歳だった。

 佐ノ山親方は無念の表情で師匠との思い出を語った。入門時に「『お前、すごい頭して来たな』と言われた」のが始まりで、名古屋場所中の稽古場での会話が最後。病院での面会時は意識もなかったが「血のつながりはないけど、本当の自分の父親とずっと思っていた」。部屋については「生前『次はお前が引っ張っていってくれよ』と言われていたので、できる限り頑張らせていただきます」。九重親方が一代年寄を辞退したのも部屋の継承を望んでいたためで、今後は佐ノ山親方が部屋を引き継ぐ見通し。