大関豪栄道(30=境川)が平幕玉鷲を寄り切りで下し、14連勝で涙の初優勝を決めた。

 豪栄道の初優勝で、日本人力士の優勝は初場所で琴奨菊が初優勝して以来、今年2人目となった。1年で複数の日本力士が制するのは千代大海、魁皇、栃東が優勝した03年以来、実に13年ぶり。初優勝の力士が複数誕生するのは、その前年以来、14年ぶりだった。

 優勝した2人の大関以外でも、稀勢の里は春場所から安定した成績を続け、綱とりで注目を集めてきた。今場所は高安が大関候補に名乗りを上げ、人気の遠藤も快進撃で優勝争いの興味を持たせた。横綱白鵬ら3横綱を筆頭としたモンゴル勢の隆盛に日本勢が加わり、土俵は活性化した。

 15日間全て、入場券の完売を意味する「札止め」となるのは確実。37度の優勝を誇る白鵬の休場はかえって優勝争いを面白くした。八角理事長は「本当にいい相撲が多い。(見ている人に)相撲が面白いというのを分かっていただけたら」と相撲人気の定着を願った。