日本相撲協会は28日、九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、期待の大器の小柳(おやなぎ、23=時津風)とモンゴル出身の大翔鵬(22=追手風)、明生(21=立浪)が新十両に昇進した。小柳は三段目最下位格付け出しデビューから所要4場所の昇進で、同制度導入後では初の関取となった。再十両は元幕内の山口(27)と序ノ口から24場所ぶりに再起した竜電(25)の2人。

 風格漂う関取が誕生した。都内の時津風部屋で会見した小柳は対戦したい力士の質問に、待ってましたとばかりに「誰とも当たりたくない」とつぶやいた。師匠の時津風親方(元前頭時津海)から「正代だろ、それ」と突っ込まれると、うれしそう。東農大からの先輩、幕内正代の新十両会見のセリフで笑わせた。実際は「対戦してみたい人ばかりです」と堂々と答えた。

 東農大時代は5冠を獲得し、三段目最下位格付け出しから所要4場所で駆け上がった。185センチ、170キロの体は堂々たる体格。時津風親方は「正代とは馬力が違う。押す力は数段強い。十両は2、3場所で通過できたら」と期待した。

 新潟県出身。しこ名は幕内に上がれば、同郷の元大関で先々代時津風理事長の「豊山」を継ぐ考えがある。その大器は「力ずく、馬力で持って行く相撲を売りにしたい。栃東関、千代大海関、魁皇関の3人のいい形を盗みたい」と語った。