左膝痛と右足親指の負傷などで9月の大相撲秋場所を全休した横綱白鵬(31=宮城野)が20日、京都巡業で復帰した。

 午前9時42分、通算997勝、優勝37回の大横綱が場内に姿を見せると、拍手と歓声に包まれた。白鵬は朝稽古の土俵には上がらなかったが、股割りなどで体をほぐすと、慎重に四股を踏み、付け人の立ち合いを受けるなどして、汗を流した。取組にも出なかったものの、土俵入りでは再び大歓声を浴びて、復帰初日を終え「久々でも良かった。多少緊張感ありました。温かい声援が多かった」と笑みをこぼした。

 春日山親方(元前頭浜錦)が日本相撲協会からの師匠辞任勧告を受諾したことで、同じ伊勢ケ浜一門の春日山部屋が一時消滅。その余波で、付け人を務めていた力士が引退することになった白鵬は「難しい問題だけど、他の道もあったと思います」と複雑な表情。引退を決意した力士については「まげを結った1人1人がこの国の宝。これからの人生の方が長いので、道を外さないようにしてほしい」とエールを送った。

 また、スポーツ関連の表彰式で対面した記憶のあるラグビー元日本代表主将で、同監督も務めた平尾誠二氏の急死を知ると「なんで?」と残念がった。相撲界でも、7月末に元横綱千代の富士の九重親方が61歳で急逝したばかり。白鵬は「世界でも長生きする日本のイメージがありますから。その中で時代を築いた方が、次々に亡くなるのは寂しい。国全体で食生活を改めるなどしないと」と語った。