大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の横綱3連破に、協会重鎮も感嘆の声を上げた。

 協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は「やっぱり稀勢の里は力を持っている。3横綱を堂々と破るというのは、力があるということ」と発言。場所中盤までの精神的に楽な「圏外」の位置から、優勝争いに浮上してきた流れから「(2敗でなく)1敗で来て、この相撲を取れるかというと、また違うと思うけど」と一抹の懐疑心はぬぐえない様子ではあるものの「内容も良いし、優勝しなくても、このまま行けば来場所は楽しみではないか」と、再び年明け1月の初場所が綱取りになる可能性を示唆した。

 また幕内後半の審判長を務めた審判部の藤島副部長(44=元大関武双山)も「3日連続で横綱を倒すのはすごいこと。ここ一番で苦い思いをしてきた経験が活きて、精神面も含めて成長しているのでは」と評価。土俵に臨む稀勢の里の表情についても「ここ何場所か、無理してリラックスしようとしているように見えたけど、今場所は自然体に見える」と分析。残る3番についても「落ち着いている。平常心で行けるのでは」と期待した。