西十両12枚目の小柳(23=時津風)が、新十両優勝に近づいた。2敗だった西十両11枚目の青狼(28=錣山)を寄り切って単独首位から引きずり下ろし、自らも西十両3枚目の佐藤(20=貴乃花)とともに3敗で並んだ。

 昨年7月の名古屋場所の御嶽海以来となる新十両優勝の行方は千秋楽勝負へ。千代皇と戦うが、先に青狼と佐藤が3敗同士で対戦するため、優勝までには本割と決定戦で2度、勝つ必要がある。「楽しみはあります」と気持ちを高ぶらせた。

 この日は「技」を見せた。負ければ優勝が消える一番。だが「いつもと変わらない。落ち着いていた」と堂々と土俵に立った。そして、突き放せずに右四つとなったが、体を寄せると、すかさず左を巻き替えてもろ差しとなった。「あのまま(右四つで)攻めていたら出し投げを食らっていた。ああいう相撲で勝てたのは自信になる」と喜んだ。

 新十両で11勝。そして優勝もある状況に「体も心も、すごくいい感じで来ている。今は土俵に上がりたくてしょうがない。明日で終わるのは寂しいですね。15日間が、あっという間に過ぎちゃう」と笑った。

 泣いても笑っても初めて15日間、相撲を取りきる場所は、あと1日だけ。「明日の一番に集中して、自分のできることをしっかりやった上で結果がついてくれば最高だと思います」。ざんばら髪の将来の大器は日を経るごとに、風格が身についている。【今村健人】