3連勝同士の全勝対決となった幕下上位の対戦は、西7枚目の石橋(22=高砂)が、同9枚目の明瀬山(31=木瀬)を上手投げで破り、ストレートで勝ち越しを決めた。

 立ち合いから右を固めて差すと、左上手を引きつけた。「本当なら、あそこで寄りたかったけど、腰が高く寄り切れなかったから、崩そうと思って」(石橋)繰り出した左からの上手投げで、元幕内の180キロをゴロンと転がした。

 得意は右四つだが、今場所は立ち合いから差しにいくのではなく、脇を固めてから流れの中で差しているのが奏功しているという。部屋付きの若松親方(47=元前頭朝乃若)の指導によるもので「右で思い切りはじいて前に出ながら自分の相撲が取れている。立ち合いで、それが相手に効いています」と実感している。

 7戦全勝で十両昇進が決まる幕下15枚目までで、4番を終えて全勝は東筆頭の北はり磨(30=山響)と2人だけ。5番相撲での対戦が予想され、それを乗り切り残り2番も勝てば、新十両の座をものにできる。関取輩出が140年目で途絶えた高砂部屋に、再び伝統の灯をともすべく「ここまで来たら…、と思うと硬くなるので、とりあえず一番一番、自分の相撲を取りきるだけです」と、残り3番も自然体で臨む。