横綱白鵬(31=宮城野)の技が光った白星だった。立ち合いから大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)と、右四つの形でがっぷり四つ。上手を切られて不利になったと思ったのもつかの間。腰を振って照ノ富士の下手を切り、一瞬の隙を見逃さずにもろ差しで寄り切った。「右でも左でもまわしに手がかかればというのがあった」と、勝機を探った中での勝利に、少し頬が緩んだ。

 日馬富士に続き、鶴竜もこの日に休場が決まり、横綱は白鵬だけ。横綱の責任を果たす、と常々口にするが「(緊張は)全然ない。一番一番」と、気負いはない。このまま1差で追う展開なら、千秋楽で大関稀勢の里と直接対決も予想される。「それはついていくだけです」と、淡々と話した。