序二段の優勝争いは、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 6戦全勝で3人が並んでいたが、この日、翠富士(20)と錦富士(20)が勝ち7勝目。決定戦で優勝を争う。昨年秋場所初土俵の同期入門で、両者は初めて番付にしこ名が載った、昨年九州場所でも序ノ口で優勝決定戦を行い、錦富士が勝っている。伊勢ケ浜部屋勢による、2場所連続の「同部屋同一カード優勝決定戦」となった。

 先に7番相撲を取った翠富士は先場所、決定戦で敗れているだけに「リベンジしたかったので、2人で頑張ろうと思っていた」と、ひとまず喜んだ。場所前に稽古をつけてもらった大関照ノ富士からも「お前ら2人でまた優勝決定戦をしろ。俺たちも見ていて楽しいから」と“厳命”されていたという。その再戦は別にして「連勝(本割でともに14連勝)は出来るだけ伸ばして、まずは幕下を目指したい」と話した。

 負ければ、その翠富士の優勝が決まる7番相撲で、春光を押し出して優勝決定戦を決めた錦富士は「稽古場では向こう(翠富士)の方が分がいい。苦手意識もあり先手を取られるかもしれないけど、我慢して取りたい」と千秋楽を見据えた。今場所から十両安美錦の付け人をしている。本名の小笠原から改名した錦富士のしこ名については「安美錦関の『錦』と師匠(元横綱旭富士)の『富士』から付けられたと思っているんですが、安美錦関からは(部屋の最寄りJR駅の)『錦糸町の錦』だと言われているんです」と話し、取り囲む報道陣の爆笑を誘っていた。