名門・高砂部屋が、途切れた伝統をわずか1場所で取り戻した。

 6戦全勝同士で幕下優勝をかけた一番で、西7枚目の石橋(22=高砂)が東51枚目の朝日龍(21=朝日山)を寄り切りで破り、全勝優勝を決めた。幕下15枚目以内での7戦全勝で、3月の春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)での新十両昇進を確実にした。

 今場所、部屋の関取輩出が創設から140年目で途絶えた。自分より番付上には朝赤龍、朝弁慶といった元関取がいたが、星が伸びず「4連勝、5連勝したころ『自分しか可能性があるのはいない』とプレッシャーだった」という。「自分のため、部屋のために頑張った。1場所で復活させて良かった」と喜んだ。

 師匠の高砂親方(元大関朝潮)も「関取不在の新しい1歩を踏みだした今場所、新しい関取ができる。こんないいことはない」と喜んだ。師匠と自分が卒業した近大のある大阪に、晴れ姿で凱旋(がいせん)する。