4場所ぶりの優勝を目指す白鵬が、大関からの陥落の決まった琴奨菊を危なげなく退けて2敗を守った。もろ差しで押し込むはずが、巻き替えられて、左下手を許した。相手四つになったが、右手で頭を押さえながら下手出し投げで転がした。「立ち合い良かったけどね。その後が硬さがあったのかな」と、少し不満そうだった。

 硬さの理由は、2敗で並んでいた貴ノ岩と逸ノ城が負けたことかと聞かれると「そうかもしれない」と重圧を感じていたと認めた。この日の朝稽古では「平常心で」と話していたが、1人横綱として迎えた終盤戦の独特の緊張感があるようだ。

 だが、8日目の黒星から、稀勢の里を1差で追う展開に変わりはない。「失うものがないって気楽さはある」と余裕を見せ、「まあ、あと2日ついていくだけですよ」。千秋楽での直接対決をにらんだ。