第72代横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が正式に誕生した。日本相撲協会は25日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議と臨時理事会を開き、稀勢の里の横綱昇進を満場一致で承認した。

 稀勢の里が横綱に昇進し、春場所は17年ぶりに4横綱となる。日本相撲協会広報部によると、これまで15度あった4横綱時代は10場所以上続いたのが2度しかない。直近の99年名古屋場所からの曙、貴乃花、3代目若乃花、武蔵丸は3代目若乃花の引退により5場所で終わった。年6場所制となった58年以降で番付に4横綱がいたのは34場所あるが、全員皆勤は6場所だけ。けが、不振での休場は存在感が薄くなり、厳しい目が向けられる。

 初場所では日馬富士、鶴竜が途中休場し、白鵬もかつてのように盤石ではない。横綱審議委員会の守屋秀繁前委員長(千葉大名誉教授)は「強い人が勝つ、弱い人が負けるということが、はっきりしてくる時代に突入してくるんじゃないか。4横綱時代はそう長くは続かないだろう。ちょっと負け続けたらまずいというふうに思う横綱も出てくるんじゃないか」と予測した。