第72代横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の横綱推挙式と奉納土俵入りが27日、東京・渋谷区の明治神宮で行われた。19年ぶりの日本出身横綱を一目見ようと、約1万8000人の観衆が訪れた。歴代新横綱の最高は貴乃花の約2万人だが、その日は土曜日。平日最多だった初代若乃花の約8000人を1万人も上回る中、堂々たる雲竜型の土俵入りを披露した。

 ◆横綱稀勢の里の父萩原貞彦さん 出来栄えは思った以上に良かった。丹田がしっかり下りていた。自分の子じゃない気がする。完全に私の手から離れた。雲竜型はいい。攻めて、守ってと彼にピッタリだと思う。

 ◆横綱稀勢の里の母萩原裕美子さん 午前11時過ぎに来られた方が、もう(土俵入りが見えるエリアに)入れないから帰られた、と聞きました。本当にありがたいことです。胸が詰まって言葉が出ません。

 ◆土俵入りを指導した芝田山親方(元横綱大乃国) 立派にこなしてくれた。ゆっくりやってくれて良かった。土俵入りがうまくなるのは引退間近というから、まだまだこれからですよ。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海) 見に来てくださった皆さんもうれしそうで感無量。大相撲に携わって本当に良かったと感動しています。足がしっかり開いて腰も割れて、人前で最初に見せる土俵入りにしては立派なもの。これを重荷にせず力、励みにしてほしい。

 ◆横綱審議委員会の守屋秀繁前委員長 いいものを見せてもらいました。どっしりしていましたね。想定していたよりも立派な土俵入りでした。