千葉県成田市の成田山新勝寺で3日、毎年恒例の節分会(せつぶんえ)が行われ、大相撲で先月横綱に昇進した稀勢の里や横綱白鵬、歌舞伎俳優の市川海老蔵らが、五穀豊穣(ほうじょう)や東日本大震災からの復興を願って豆まきをした。

 成田山によると、大豆や落花生計約1トンのほか、本尊の不動明王が持つ剣を模したお守り「剣守(けんまもり)」を用意。岩手県陸前高田市の戸羽太市長も参加した。かみしも姿の稀勢の里や白鵬らが豪快に豆をまくと、集まった参拝客らは歓声をあげて一斉に両手を伸ばした。

 稀勢の里がまいた豆を手にした茨城県牛久市の女性(60)は「同郷で大ファン。今年はいいことがありそう」と興奮気味だった。

 不動明王には鬼さえも改心させる力があるとされ、成田山では「鬼は外」とは言わず「福は内」とだけ声を掛けるのが習わし。成田山はこの日だけで約5万人の参拝客を見込んでいる。