史上7位の所要12場所で新入幕を果たした宇良(24=木瀬)が、超多忙スケジュールをこなして大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)に臨む。2月28日、大阪での稽古を開始。10日に東京で新入幕昇進披露パーティーを控えるなど、初日までほぼ無休状態。人気力士ならではのハード日程も気合で乗り越え、地元大阪の期待に応える。

 念願の新入幕昇進をかなえた宇良に、未知なる難敵が現れた。番付発表前から京都府庁訪問など多忙なスケジュールを刻んできたが、今後も春場所初日までほぼ無休になることが判明した。姫路と大阪の2カ所で行われる部屋の激励会に加え、稽古休みの10日には新入幕昇進パーティーが開かれる東京へ、とんぼ返りすることも決定。休む暇なく、勝負の春場所へ臨むことになりそうだ。

 「これまで(経験)ないので。分からないです…」。この日、四股など軽めの運動で始動した業師も、無事に体調を整えられるか予測できない様子。東京では朝稽古後に、筋力強化のジムワークもこなすが、今場所は不可能。「そんな余裕ないですよ」と話した。

 体調のカギは、130キロ台に達した体重が握っている。幸い新入幕の祝いもあって、差し入れの数は「去年の倍以上ある」と関係者。牛肉、豚肉、バナナ、うどん、卵と続々と食料が部屋に届いている。「うちのちゃんこは、他の部屋より3、4品多い」と木瀬親方(元前頭肥後ノ海)。豊富な食材で、食欲を保てば体調維持にもつながる。

 番付発表では「気持ちで負けないようにしたい」と言った。地元大阪で錦を飾るため、超ハード日程も乗り越える。【木村有三】