新横綱優勝を狙う稀勢の里が“鬼門”を突破した。春場所12日目は、三段目時代を含めて1勝11敗。大関時代の12年に1度、勝っただけだった。だが、横綱になれば違う。平幕荒鷲に差し勝って左四つで前進。相手の上手も切って、前のめりになりながら寄り切った。「体が反応した。いいんじゃない。いろいろな展開がありますから」と話した。

 新横綱の初日からの12連勝は玉の海、旭富士と並び、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では先代師匠の隆の里(15戦全勝)に次ぐ2位。初場所からの連勝も18に伸ばした。そしていよいよ、初めての横綱対決を迎える。13日目は日馬富士戦。「しっかり集中してやればいい。集中して、明日」と気持ちを込めた。