関脇琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)は6敗目で、1場所での大関復帰を逃した。

 大関復帰への望みは、あっけなく絶たれた。1敗もできない中で迎えた照ノ富士戦。右に動いた相手についていけず、6敗目を喫した。10勝の復帰ラインに到達する可能性が消滅した。

 大関から陥落した初場所後、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に誘われ焼き肉店へ出向いた。酒は飲めないのに「何かしら自分を変えていかないと」と、おちょこ2杯の日本酒を口にした。出稽古も志願した。「結果はどうなるか分からないけど、持ってるものを出せたらいい」。気持ちを新たに臨んだ春だったが、結果を残せなかった。

 それでも、土俵人生が終わるわけではない。「前を向いて行けばいい。自分なりに考えてきた結果やから。明日も、しっかり相撲を取る」。自分に言い聞かせるようにして、引き揚げた。