入幕2場所目で東前頭13枚目の貴景勝(20=貴乃花)が、うれしい初の三賞を受賞した。

 勝てば敢闘賞の条件付きで臨んだ千代翔馬(25=九重)との一番。持ち味である突き押しの応酬で一進一退の攻防も、最後は重い腰で耐えた貴景勝が押し出して11勝目。貴乃花部屋としては先場所、殊勲賞を受賞した貴ノ岩(27)に続き、2場所連続の三賞受賞となった。

 よもや自分が三賞候補とは知らずに場所入り。支度部屋で「誰からかは忘れたけど」(貴景勝)関係者から「勝てば敢闘賞」と聞かされ「少し緊張した」と言う。それも「緊張して力を出せたら自分が成長している証し。楽しみだと思って取りました」と前向きにとらえて臨んだ。

 千代翔馬には幕下時代から3連敗中だった。8人による優勝決定戦で敗れるなど、相性は良くなかったが「精神的に負けないように頑張ろうと思った」と強気な性格そのままに真っ向から挑んだ。

 来場所は幕内中位に上がり、上位戦が組まれる可能性もある。「若さを武器に強い心で挑みたい。通用するとは思わないけど、とにかく気持ちで負けない。負けるにしても全部、出し切って」と抱負を語った。