大相撲の元大関琴欧洲の鳴戸親方(34)が29日、都内の日体大で特別卒業認定証を授与された。15年4月に編入学した体育学部武道学科で、単位を全て取得して卒業することはできなかったが、社会での実績などが認められて同大学の“卒業生”になった。「うれしいですね。ブルガリアの(国立体育)大学を中退して、まさか日本で大学を“卒業”するとは思わなかった。母親が1番喜ぶ」とうれしがった。

 特別卒業認定は、卒業はできなかったが、これまでの実績や社会での活躍によって大学の発展や名声を高めた者を“卒業”扱いとする同大学の制度。これまで俳優千葉真一や、64年東京五輪にカヌー代表として出場し、サッカー本田圭佑の大叔父で知られる本田大三郎氏、サッカー解説者の松木安太郎氏の3人が授与されており、鳴戸親方で4人目となる。

 科学的なトレーニング理論を学ぼうと編入学したこの2年間。親方としての仕事もあって通学できないときが多く「学生たちと一緒に旅行に行くとかは、残念ながらなかった」と苦笑いしたものの「同級生の若い人と一緒に勉強して、考え方をもう1度、見直せた。(稽古の)休みの取り方や栄養バランス、メンタルも取り入れなきゃいけない」と大いに収穫があったよう。

 4月1日から鳴戸部屋を興すだけに「大きな夢を持っている。その夢に向かって、これから弟子の指導にあたります」と誓った。