モンゴル出身の元関脇で春場所では西幕下9枚目の朝赤龍(35=高砂、本名バダルチ・ダシニャム)が22日、都内の高砂部屋で朝稽古を行った。朝赤龍は前日21日、法務省に申請していた日本国籍取得が、21日付の官報で告示されたことで認められた。稽古前には師匠の高砂親方(61=元大関朝潮)に、このことを報告した。

 これで引退後、親方として日本相撲協会に残ることが出来る、年寄名跡取得が可能になった。ただし今後、書類を作成し住居を構える墨田区役所に日本国籍取得の届けを出し、戸籍を作るなどの事務作業を行う必要がある。さらに名跡取得のための折衝や手続きも残されているため、進退については「今は何も考えていません。全てが終わり師匠と相談してから決める」と明言を避けた。

 昨年7月に申請を開始。朝稽古終了後、朝赤龍は「他の人は1年ぐらいかかると聞いていたので、早い方かもしれないですね。国籍を変えるのは勇気がいることですが(引退後は)協会に残りたかったので迷いはなかった。親や家族の反対もなかったです」と、ホッとした表情で話した。

 前日は夕方に、法務局の担当者から電話で認可の連絡が入ったという。今後は、その担当者と連絡を取り合い、事務作業を進める。また日本名については「モンゴルの名前のままでもいいと聞いています」と、まだ決めていないとしながらも、モンゴル名を通す考えがあることも示した。