大相撲の元横綱佐田の山で、日本相撲協会の理事長を務めた市川晋松(いちかわ・しんまつ)氏が4月27日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。79歳。長崎県出身。故人の遺志により、葬儀は親族で行った。

 ▽横綱白鵬関の話 会ったことはある。がっしりしてかっこいい人だなと思った。(現役時代の)映像も見たことがある。私の好きな大鵬関の時代の土俵を沸かした人だから、寂しい思いはある。

 ▽市川氏の弟子で解説者の舞の海秀平氏(元小結)の話 私にとって永遠の師匠だった。現役引退後に相撲界を離れる時は「内側だけでなく、外側から支える力も角界には必要なんだよ」と送り出してくれた。いただいた教えは一生忘れない。

 ▽春日野・日本相撲協会広報部長(元関脇栃乃和歌)の話 驚いているし、残念。稽古場で(背筋を伸ばした)姿勢が変わらなかったのが印象的だった。力尽きるまでやれと言ってくださったのを覚えている。(同じ出羽海)一門に誇りを持っていた。同じ思いで継承していかないといけない。

 ▽出羽海親方(元幕内小城ノ花)の話 本当に怖くて、稽古場で座っていた時にはオーラがあった。だけど普段、お酒を飲むときはにこにこしていろんな話をしてくれた。(市川氏が出羽海部屋の師匠を務めていた頃は)力士も多くてにぎやかで、関取衆も4、5人はいた。そういう部屋にするのが恩返しだと思う。