大相撲夏場所(14日初日・東京・両国国技館)の新弟子検査が9日、両国国技館で行われた。申し込みは7人だったが1人は受けず、受検した6人全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。内臓検査の結果を待ち、14日の初日に合格者が発表される。

 佐渡ケ嶽部屋から独立し、4月1日に部屋を創設した鳴戸部屋からは、ブルガリア出身のベンチスラフ・カツァロフ(20)が受検し191センチ、125キロで体格検査をパスした。

 昨年の夏、故郷のブルガリアに里帰りした鳴戸親方(元大関琴欧洲)が口説き、同12月に来日。一度、ビザ取得のため一時帰国したが「ヨコヅナ」「ガンバリマス」など片言の日本語は話せるという。12歳から14歳までは空手、以後はレスリングに転向し、16歳で100キロ級、19歳では120キロ級と2度、ブルガリアのジュニアの国内チャンピオンに輝いた。五輪には出たかったというが「仕事と両立して練習するのはプロでないから大変。高いレベルには届かない」と入門を決意したという。

 この日、初めて浴衣を着てゲタも履いた。「お相撲さんになったな」というのが感想で、新弟子検査自体は「緊張はなかった」という。日本食は「カレーが好き」「ちゃんこ鍋に入っている豆腐は嫌いではないけど味がない」と言い「日本の好きなアーティストはB'z」「ブルガリアにいた時の趣味は狩り」。鳴戸親方を“通訳”に、笑みを浮かべながら報道陣に対応した。

 相撲経験がないため、現在は押し相撲を身につけるべく稽古しているという。目標の地位は「ヨコヅナ」と返答。鳴戸親方は「他の弟子(2人)と差をつけずに指導して育てたい。(自分が)言ったことは絶対に守るストイックさ、真面目さがある」と性格診断した。