東前頭14枚目の阿武咲(20=阿武松)が、新入幕同士の対戦となった同16枚目の豊山(23=時津風)を渡し込みで破り、2日目から3つの白星を並べた。

 互角の立ち合いから徐々に豊山を押し込み、左をのぞかせ右を深く差した。かいなを返しながら寄り立てると、豊山も必死に左に回り込み、小手投げで逆転しようと粘った。最後は左手で豊山の右膝を渡し込んで勝利をものにした。

 新入幕の有望力士同士の対戦だったこと。相手は学生相撲出身の力士であること。そして昨年夏場所の幕下時代の初対戦と、十両時代の3回の対戦で、豊山には4戦全敗だったこと。それらの質問には全て「特に」「全然」「特に何もないっす」と意識になかったことを強調した。

 黒星発進からの3連勝。これには「1日1日、しっかりやるだけ」と控えめに話したが、好調の要因を聞かれると「ここまで(新入幕の土俵を)楽しめてて気分もいいです。それが、体が動くことにつながってます」と表情を和らげながら話した。注目されていることにも「緊張とかもなくテンション上がります。充実しています」と舌もなめらかだった。