大関とりに挑む関脇高安(27=田子ノ浦)が、昇進確率100%のデータを手にした。前日に兄弟子の横綱稀勢の里を破った西前頭筆頭の遠藤を、危なげなく寄り切り。序盤を無傷で乗り切り、大関昇進の目安となる三役での直近3場所33勝に必要な10勝へ、あと「5」とした。初日からの5連勝は自身7度目で、過去6度はいずれも2桁勝利。場所後の大関昇進が見えてきた。

 突いて良しだが、組んでも良い。それが高安の持ち味。今場所初めての寄り切りには、相撲巧者の遠藤を上回るうまさが光った。大関とりの場所で、序盤を無傷の5連勝。「毎日、気分よく取れています」と話す姿には風格が漂っていた。

 14本の懸賞に加えて、ファン投票で決まる森永賞も懸かった注目の一番。大関豪栄道すら圧倒した立ち合いは互角だった。「はじき飛ばそうと思ったけど(遠藤の)踏み込みが鋭くて、起こしきれなかった」。だが、その後が巧みだった。左を深く差して下手を引き、相手の下手は右のおっつけで切る。「手順良く前に出られた。自分もしっかり踏み込めているから、流れがありましたね」。前日の兄弟子のかたきを取った。