昨年のアマ横綱で、ここまで連勝だった幕下15枚目格付け出しの矢後(22=尾車)が、プロ初黒星を喫した。1場所での新十両昇進の可能性は事実上、消滅した。

 この日は、幕内経験のある東幕下13枚目の明瀬山(31=木瀬)と対戦。左四つの体勢で胸を合わせ勝機をうかがったが上手を切られ、逆に右上手を十分に引かれ寄り切られた。

 「上手を切られて焦りました」と矢後。相手が幕内経験者であることは「気にしなかったけど少し堅くなった」と意識にあったようで、今後も対戦が予想される経験豊富な相手も含め「自分より大きい人、力強い人、うまい人はいっぱいいる。(この日も)自分の相撲を取らせてくれなかった」とプロの世界を実感。1場所で関取の座を射止める望みは消えたが「気持ちを切り替えて勝ち越せるようにやるだけ。部屋でもっと稽古します」と、残り4番も実のあるものにする。