前日10日目の5番相撲で勝ち越し(4勝1敗)を決めた昨年のアマ横綱で、幕下15枚目格付け出しの矢後(22=尾車)が、東幕下9枚目の木崎(24=木瀬)と対戦。突き落としで破り5勝目を挙げた。

 思い切り当たって圧力をかけたが、相手のいなしに体を泳がされた。体勢を立て直したが相手の押しに、土俵際まで後退。だが、瀬戸際での反応が良かった。前傾姿勢の木崎に対し、体を開き左から突き落とした。

 激しい攻防の一番だったが「落ち着いて取れたと思います。相手の動きも、よく見えていました」と、プロの土俵にもすっかり慣れた様子。さらに前日の勝ち越し決定で精神的にも楽になったようで「本来の相撲ではないけど、思い切って取ることができました」と続けた。

 幕下15枚目の位置で5勝(2敗)の力士は、最近4例をみると、翌場所の番付を同7~9枚目に上げている。来場所の幕下1桁の地位は、ほぼ確保したといっていいだろう。

 さらに6勝1敗なら最近では、やはり15枚目格付け出しで14年初場所にデビューした逸ノ城(湊)が、翌場所の番付を西3枚目まで上げている。最後の7番相撲に勝てば、来場所の関取挑戦の意味合いが、グッと現実味を帯びてくる。気の抜けない一番で有終の美を飾り、来場所につなげたいところだ。