序二段の優勝争いは、7戦全勝で2人が並び、千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

 東67枚目の美浜海(20=玉ノ井)は北勝剛(36=八角)を押し出しで破り全勝をキープ。決定戦に進んだ。過去、皆勤した26場所で4連勝が最高だったが、その自己記録を更新し無傷で今場所の本割を終えた。

 昨年4月の稽古中に、相手の頭がぶつかり右目の眼窩(がんか)内壁を骨折。2場所連続で全休し、番付外に落ちたが、同年11月の九州場所から序ノ口に復帰。今場所の快進撃につなげた。「悔いのないよう、思い切り取ります」と捨て身でぶつかる。

 もう1人は、6戦全勝対決で大天白(29=伊勢ケ浜)を突き落としで破った東33枚目の露草(22=大嶽)が決定戦に進んだ。ポーランド出身で日本国籍を取得している和賛(かずよし)さんを父に持つ露草は、小さい頃から父に合気道など古武道を教わり、昨年7月にポーランドの大学を中退して来日。9月の秋場所で初土俵を踏んだ。「それぐらいしか取りえがない」と話す、持ち前の突き押し相撲で白星を重ねた。「先場所までは緊張していたけど、今場所は気持ちに余裕を持って相撲を楽しめるようになった」。その締めくくりを初の各段優勝で飾りたいところだ。