西十両8枚目の安美錦(38=伊勢ケ浜)が、最年長十両優勝(戦後)に迫った。

 西十両2枚目の旭秀鵬(28=友綱)を上手投げ。関脇安芸乃島を抜いて歴代単独10位の通算823勝となる9勝目を挙げた。「いつも、勝ち越すと緊張の糸が切れちゃうじゃないけど、ホッとしてしまうのが出る。(今日は)浮つかずに『勝つんだ』と思って行ったよ」。前日に18歳年下の貴源治と熱戦を繰り広げた体は「筋肉痛」と苦笑いだが、勝負にかける執念はさすがベテランだった。

 十両トップの9勝は錦木(26=伊勢ノ海)と2人だけ。千秋楽では、その錦木と組まれた。文字通り、優勝決定戦。87年名古屋場所の舛田山の36歳3カ月を大きく上回る38歳7カ月での優勝が懸かる。それでも「あんな力強いのとやりたくないなぁ」とこぼして「幕内に戻れるなら大きいけど。優勝賞金? そんなの嫁さんに全部渡すよ…勝てばね。それより明日、けがしないで終わるのが1番です」と、ひょうひょうとしていた。