平幕宇良(24=木瀬)が千秋楽も場内を沸かせ、11勝4敗で夏場所を終えた。

 大翔丸との立ち合いでなんと下がった。右足を引き、左後方へ。体が泳いだ相手の足をとりにいき、流れの中で左からすくい投げを決めた。立ち合いで下がったことを問われて「はい、まあそういうことも」と作戦だったことを明かした。

 幕内2場所目の11勝だが、予想された三賞はなし。技能賞の候補に名前が挙がったものの、協会、協会を賛助する維持員による溜会(たまりかい)、メディアによる投票で過半数に届かなかった。

 宇良は「技能賞、欲しかったです」。超低空の立ち合いからの素早く、粘り強いスタイルが評価されず、がっかりした表情を浮かべた。元横綱の解説者・北の富士氏が中継で「11番とって(三賞を)あげないの? そりゃないよ」と同情する一幕もあった。

 7月の名古屋場所では、西前頭10枚目から番付が上がることは確実だ。幕内3場所目で三役と対戦する可能性が高い。何が飛び出すかわからない。場内を常に期待させる相撲が、いよいよ上位陣相手に実現する。