7戦全勝同士で優勝決定戦に持ち込まれた注目の三段目は、西63枚目の若隆景(22=荒汐)が東39枚目の村田(22=高砂)にリベンジを果たし、初土俵から2場所目で各段優勝を決めた。

 ともに今春、東洋大を卒業し3月の春場所は、三段目最下位(100枚目)格付け出しでデビュー。大学時代は村田が主将、若隆景が副主将を務めた。高校からアマ時代に3回、先場所のプロ初土俵で1回、両者は対戦し村田の4戦全勝だった。

 細身で相手に食い付いてからの投げを得意とする若隆景が、右四つから下手出し投げを2度打って村田の体を崩し、最後は押し倒してリベンジした。「たまたま先にまわしを取れたので、先に攻めようと思った」と若隆景。普段の観客もまばらな中での取組と違い、優勝決定戦は十両の取組後に行われ、ほぼ満員のファンの前で取る。照明の明るさなど雰囲気も変わるとあり「いつもと違って明るいし、声援もすごい。“やってやろう”と思いました」と気合十分。良き友でありライバルに雪辱し「初めて勝ってうれしい。ライバル意識が強かったし、次からも対戦があるから、とりあえず優勝できてうれしい」と喜んだ。

 一方、敗れた村田は「悔しいっす」と切り出したものの、割り切った様子も。「(相手が同期生とは)特に考えず、立ち合いでしっかり当たることだけを考えていました。相手が1枚、上手だった。負けは負けで仕方ないです」と“初黒星”を淡々と受け止めたようだ。来場所は幕下入りが確実で、いよいよ関取の座をかけた本格的な戦いの場に足を踏み入れる。