今場所限りで引退する東幕下27枚目の大和富士(32=阿武松)に、親交のある関脇高安(27=田子ノ浦)が花束を贈った。

 花道で最後の一番を見届け、自ら用意した花束と今場所獲得した10本の懸賞金を手渡した。号泣する大和富士にもらい泣きする一幕もあった。

 初土俵が2場所違いで相撲教習所での生活が重なっていたことや、互いに猛稽古で知られる部屋の所属とあって、自然と意気投合。「毎日といっていいほど会っているときもありました」(大和富士)。地元広島に戻って両親の面倒を見ながら建設関係の仕事に就く友人に、高安は「頑張ってほしい」とエールを送った。

 大和富士は14年春場所に自己最高位の西幕下2枚目まで上り詰めたが、7番相撲で負け越して、惜しくも関取に上がれなかった。「まさか高安関が待っているとは思わなかった。師匠(元関脇益荒雄の阿武松親方)の姿も目に入り、初めて両親も国技館に来ていた。最後に勝てて良かったです」と感謝していた。