新潟市北区出身で新入幕の小柳改め、東前頭16枚目の豊山(23=時津風)が旭大星を寄り切りで破り、4勝11敗で幕内15日間を終えた。

 前日の蒼国来戦に続き、この日も得意の突き押し相撲で一気に勝負を決めた。今場所初の連勝で「最後の2日間は自分の相撲が取れた。1場所で戻ってこられるようにしたい」と、この15日間で初めてすがすがしい笑顔を見せた。

 幕内と十両の力の差をいやというほど感じさせられた場所だった。「幕内力士は立ち合いのスピードが違う。腰を低くして当たってくる。あらためて相撲の厳しさを思い知らされた15日間でした」。初土俵から8場所目で初の負け越し。7月の名古屋場所は十両から、再入幕への挑戦になる。

 これまで口にしなかったが、元大関で先々代時津風理事長の「豊山」というしこ名を継いだこともプレッシャーになっていたという。「なかったといったらうそになる。でも、それは言い訳にしたくなかった」とポツリとつぶやいた。

 30日には新潟に帰省する。名古屋場所前には宮古島(沖縄)での合宿も待っている。「昼間は猛烈に稽古して、夜はおいしいものをたっぷり食べて、体を鍛えてきます」と、1場所での返り入幕に自信をみせた。【内山泰志】