大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)での連続優勝を目標に掲げ、史上最多の通算1047勝を視野に入れた。27日、名古屋市で行われた力士会に出席。あと11勝に迫った通算最多1047勝について、史上1位の魁皇(現浅香山親方)から、5年前に記録更新を予言されていたことを明かした。

 あと12勝で魁皇の歴代最多通算1047勝を更新する。しかし白鵬は「連続優勝で東を守っていきたい」と東の正横綱の死守を掲げた。そして「39回目の優勝を目指す。そうすれば自然と1047という通算勝ち星が見えてくる」と2場所連続優勝を最優先とした。

 5年前に予言を受けていた。12年5月。白鵬は、断髪式後に行われた浅香山親方の引退披露宴に出席していた。そこで同親方から言われた言葉に衝撃を受けた。「締めのあいさつをしたんだけどね。『この記録を抜くのは白鵬しかいない』と言われた。まさか、と思ったけどね」と感慨深げに明かした。当時はまだ通算676勝。そこから5年かけて、360勝を積み重ねた。「1047」は手の届くところまできた。

 春場所で稀勢の里が昇進して以来、4横綱が15日間皆勤した場所はまだない。4人が戦い抜いてこその優勝にも価値がある。白鵬は「望むところ。けがは自分自身にしか分からないから。まずは自分がしっかりしないとね」。

 この日、名古屋入りして初めて朝稽古を行った。相撲は取らなかったが、30キロの重りを持ってのすり足などで約1時間、体を動かした。「先場所のいい流れを思い出してやっていく。体を作っていきたい」。10年前に横綱に昇進した縁起の良い名古屋で、金字塔を打ち立てる。【佐々木隆史】