大相撲名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)に初めて幕内上位で臨む西前頭筆頭の貴景勝(20=貴乃花)が1日、車で約1時間をかけて阿武松部屋に足を運び、出稽古で汗を流した。

 阿武松部屋への出稽古は、番付発表後の稽古始めとなった27日から、これで5日連続。やはり押し相撲を身上とし、同学年で中学時代からライバル関係にある、同6枚目の阿武咲(20)と連日、熱のこもった三番稽古を行ってきた。この日は、やや番数は減ったが23番を消化。これまでは五分以上の数字を残してきたが、この日は9勝14敗と負け越して終了した。

 三番稽古の合間に、阿武松親方(元関脇益荒雄)から「筆頭だぞ!」「横綱、大関と当たるんだぞ!」「さあ三役だ、関脇だぞ!」と叱咤(しった)激励の声が飛ぶ中、ビッショリと汗を流した貴景勝は「いい稽古が出来ています。横綱、大関戦は顔じゃない(分相応ではない、の意味)けど気負わず、自分の力を出し切るだけです」と約1週間後に迫った初日を見据えた。一方の阿武咲も「場所に向けて反応も良くなって、気持ちも高ぶってます」と入幕2場所目に向け、気合を入れた。