通算勝利数歴代1位になった翌日も、横綱白鵬は集中力を切らさなかった。「かち上げから起こしていく。1つのそういう作戦」。立ち合いで左右に動く場面が目立っているが、この日は得意の右のかち上げで攻めて豪栄道が頭を下げたタイミングではたき込んだ。「いつもと一緒と自分に言い聞かせた。達成感、満足感というのがあった気がする」。冷静さを忘れなかった。

 逆算がうまく出来ている。ここ数場所は、場所前に調子を上げすぎ、場所後半でバテる場面が目立った。しかし、今場所は場所前の稽古をあえて抑えた。これまでの場所中の朝稽古ではやらなかった、重りを使ったすり足やスクワットを場所中に行っている。「体がここにきて反応している」と効果を実感。今日勝てば決まる2場所連続39度目の優勝へ向けて抜かりはない。

 幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 白鵬が負けることは想像できない。後半戦はいつも対戦している相手でデータも入ってやりやすいだろうし集中力もある。

 八角理事長(元横綱北勝海)の話 白鵬は(最多勝利)記録より優勝に比重を置いていると思うが優勝争いの後半戦に記録(のかかった相撲)があり、集中力も切れなかった。後半戦は対戦経験豊富な相手で自信を持っている。優勝決定戦になっても経験が生きるだろう。