碧山(31=春日野)が優勝決定戦進出を逃した。千秋楽は自分が勝って13勝とし、白鵬が負けて初めてVに挑めた。本割は今場所初の三役との取組で小結嘉風をはたき込みで撃破。結びの一番を支度部屋でテレビ観戦し、白鵬の勝ちを見届けた。

 「残念です。ここまで来たから、もう一番取りたかった」と言いつつも、表情に暗さはなかった。「13勝は優勝の成績でしょう? 後は運ですね」。前夜は東京にいるビオレタ夫人に、恒例のテレビ電話をかけて「アドレナリンが出過ぎるだろうけど、自分の相撲をとれば大丈夫よ!」と言われたとか。相撲をあまり知らないはずの夫人のハッパに「ビックリしたよ」とおどけた。

 新入幕だった11年九州場所以来2度目の敢闘賞を獲得。来場所は横綱、大関と当たる平幕上位まで番付が上がる。左膝などに不安を抱える31歳だが「大丈夫です。ガーンと行って、突っ張って、前に出て。後は集中すればいい」。元関脇が自信を取り戻した。【加藤裕一】