大相撲の横綱審議委員会が24日、東京・両国国技館で開かれた。名古屋場所では2横綱1大関がけがで途中休場したこともあって、けがの話題が大半を締めたという。

 その中で、2場所連続で途中休場した横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)について、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「しっかり体を治して、万全の態勢で出てきてほしい。そうならない場合は休場でいい。大多数はそうでした」と万全な状態で出場するように求めた。

 夏場所後の横審でも同様の意見が出ていたが「前回以上にそういう意見が強く出た」と言い「横綱として出て全うできるという判断が、ちょっと甘かった。ファンの期待に応える責任感に押されて(判断が)甘くなった気がする」と話した。

 同じく2場所連続で途中休場するなど今年は3月の春場所しか皆勤出場がなく、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が次の出場に進退を懸けることを明かしている横綱鶴竜(31=井筒)については「これだけ休んでしまうのはマズイ」と苦言を呈した。都倉俊一委員(作曲家)も「けがをしてふがいない状態になる方が、相撲ファンはがっかりする」と出場する以上は万全の体調を求めた上で、鶴竜について「次に出る場所が勝負。そこで休場などしたら意見は申し上げないといけない」と表情は険しかった。