日本相撲協会は26日、愛知県体育館で大相撲秋場所(9月10日初日・両国国技館)の番付編成会議を開き、東幕下3枚目で臨んだ名古屋場所を5勝2敗で勝ち越した大成道(24=木瀬)の新十両昇進が決まった。青森・八戸水産高を卒業し、兄で現三段目の笹山がいる北の湖部屋に、木瀬親方の内弟子として入門。11年5月の技量審査場所で初土俵を踏んでから6年あまりで関取の座をものにした。

 この日午後、師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)とともに会見に出席した大成道は「昨夜は気持ちが高ぶって寝付けなかった。知らせを聞いても実感はなかったけど、ここ(会見場)に来て『あっ、関取になれるんだな』と思いました」と喜びをかみしめた。木瀬親方は「稽古場の力は知っていたから(昇進は)遅いぐらい。力真との相撲(5勝目を挙げた名古屋場所13日目の7番相撲)は『もう上がらないとおかしい』と思えるようないい相撲」と評価した。

 初土俵から5場所で幕下入りし、その後も幕下を維持したが伸び悩んだ。12年九州場所は左足薬指付け根を骨折し全休。その後もヘルニアを患い飛躍できなかったが、師匠の「座禅を組むように」と指導されて以降は「思い込みすぎたり、考えすぎたりする自分に、頭を空っぽにする時間ができた。相撲の動きも良くなった」と持ち前の押し相撲に磨きをかけ、関取の座をものにした。

 この日の番付編成会議では希善龍の再十両も決定。平幕上位の宇良を筆頭に、秋場所で木瀬部屋は6人の関取を抱えることになる。その宇良のように「自分も(ファンを)沸かせられるような力士になりたい、思って(宇良を)見ていた」と話す。宇良や関脇御嶽海(出羽海)、前頭北勝富士(八角)、十両大奄美(追手風)ら同学年の関取衆には「自分も負けられない」という。新十両での抱負は「脇を締めて電車道で持って行けるような相撲を取りたい」と語った。