大相撲の健康診断が22日、東京・両国国技館内で行われ、ロシア出身で三段目の大露羅(おおろら、34=山響)が自己最重量となる288キロを計測し、元大関小錦の285キロを上回り、歴代最重量となった。1月の健康診断では、当時自己最高の283・8キロを計測。最近は食生活に気を使っていたが、7カ月で約5キロ増量した。

 21年間守られていた記録が破られた。1月の健康診断で283・8キロを計測していた大露羅が体重計に乗る。デジタル数字がみるみる上昇した。小錦の285キロを超えて、288キロで止まり、歴代最重量を更新した。「狙ってはないんだけど」と困惑しながらも「これで永遠に名前が残る」と少し誇らしげな表情で話した。

 想定外の記録更新だった。1月の健康診断以降は、部屋の近くをウオーキングするなどの運動を取り入れた。さらに食生活も改善。かつて焼き肉店で最大50人前を注文し、ラーメン丼のご飯を4杯分とラーメン6杯を食べたこともあった。しかし、今は「昼は食べるけど、夜はあまり食べていない」と摂生していた。普段は体重計に乗らず、この日が久しぶりの測定。「体の調子も良くてやせているかなと思ったんだけど。びっくりした」と戸惑った。

 思いあたる節がないわけではない。前日午後11時。最近、体に吹き出物ができたため抗生物質を服用しているが、空腹を避けるため、おにぎりを1つ食べたという。「あのおにぎりが効いたね」と冗談めかした。

 15年に急逝した先代師匠の北の湖前理事長(元横綱)から、どのように声をかけられるか問われると「バカ野郎って言われますよ」と苦笑い。「一緒にサウナ行ったり、歩いたりしてました」と懐かしがった。そして「(現役生活は)長くはないかもしれないけど頑張る」と奮起した。【佐々木隆史】

 ◆大露羅敏(おおろら・さとし)本名ミハハノフ・アナトーリ・ワレリリエチェ。1983年4月26日、ロシア生まれ。初土俵の00年春場所では既に190キロ。最高位は11年九州場所の東幕下43枚目。通算357勝357敗7休。191センチ、288キロ。