新入幕で東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)が7勝目を挙げ、待望の勝ち越しに王手をかけた。

 同13枚目で、けんか四つの錦木(27=伊勢ノ海)と対戦。差し手争いに勝ち、自分得意の右四つに。圧力をかけられ出られたが、左の上手が命綱だった。強烈に引きつけ、下がりながらも上手投げで豪快に仕留めた。

 「前に出られれば、もっと良かったけど」と反省点を挙げつつ「先に突っ張って(こじ入れた右の)かいなを返して上手を取らせないで、じっくり相手をよく見ながらの投げ」(朝乃山)と自己解説した。前日の千代丸に続き、十両だった今年5月の夏場所で「右四つで力負けした」という錦木に、連日のリベンジを果たした。

 「自分は挑戦者なので何でも思い切って行こうと思っている」という気持ちが相撲に表れ、組んで良し、離れて良しの攻撃相撲が続く。初日から白星、黒星が交互に続く「ぬけぬけ」を8日目に脱出。4連勝で給金直しに王手をかけ「ここからが辛抱の一番」という終盤戦に臨む。「ぬけぬけ」のジンクス同様、前日まで勝った6番は東の支度部屋、負けた3番は西の支度部屋という「何か怪しい」(朝乃山)と魔物に取りつかれたような? ジンクスもこの日、西から出陣しての勝利で打破。「西で勝っちゃった、と終わって気付いた」という無心さで、残る5番にも挑む。