新十両で西13枚目・矢後(23=尾車)が連敗を免れた。5勝6敗とし、再び相星まで1勝と盛り返した。

 西十両11枚目の千代ノ皇(26=九重)に、突き放してから自分の得意な左四つに組み止め、圧力をかけ続けた。何とか回り込んでしのごうとする千代ノ皇を、腰を落として反撃の糸口さえ与えず危なげなく寄り切った。

 けんか四つの対戦だったが「相手の形にさせる前に自分から攻めようと思いました」とイメージ通りの一番を振り返った。対戦相手の取り口も「ある程度、その人の癖とか頭に入れている。相手の得意にさせないことを徹底して攻めようと思っています」と、勝ち負け以前に自分の相撲を取りきることを心がけている。

 余裕のなさがプラスに働いている。十両残留には7勝はほしいところ。そんな星勘定は頭から取り去る。「一番一番、先のことは考えずにやるだけです。先のことを考えている余裕はないので」と無心で残り4番に臨む。