大関豪栄道(31=境川)が昨年の秋場所以来2度目の優勝へ、大きく近づいた。関脇御嶽海に対し、立ち合いすぐに両前まわしを取り、頭をつけて寄り切った。スキのない攻めで10勝目を挙げ、優勝争い単独トップの1敗を守った。「しっかり見て、懐に入られないように。いい間合いで立てたと思う」と話した。

 休場者を除けば、御嶽海は今場所の東番付で最上位。他に北勝富士、阿武咲、貴景勝ら若手の台頭が顕著だ。「そういう時期と思うね。10歳下が何人かいるから」と世代交代の流れを感じながらも「受けて立つんじゃなく、こっちからどんどん攻める」と壁になる覚悟はある。

 自身の2つ前の取組で千代大龍が敗れ、2敗力士が消えた。1敗の自分と後続の差は残り4日で2に広がった。早ければ13日目にも2度目の優勝が決まる。「そういうのは考えず、自分の相撲を取りきろうと思う」。後半戦に入り、相撲内容も右肩上がりだが「内容がよくても、負けたら意味がない。ただ、結果が出ている。自分の体を信じてやるだけです」と慎重さを崩さなかった。