幕下付け出しデビューから所要2場所のスピード出世で新十両昇進を果たした西十両13枚目の矢後(23=尾車)が、5勝7敗と黒星が2つ先行し、負け越しのピンチに立たされた。

 今場所の対戦相手では番付最上位となる、西十両8枚目の明生(22=立浪)と対戦。突き放して組み止めたが右の上手を引かれ、やや半身の体勢から投げを打たれ振られた。一度は残したが寄り立てられ、最後は再び右からの上手投げに屈した。

 頭をつかれ半身の体勢とあり、得意の左は窮屈な形で差すことになり、右の上手は遠かった。その左も「攻めてたと思うけど差しに行ってしまった」と突き放してから、十分な形で取れなかったことを反省。「上手(を取りに行って)から行けば良かった。全て相手の形にしてしまった」と敗因を悔やんだ。残り3番に逆転の勝ち越し、十両残留をかける。「いつもと変わらず、1日1番、しっかりやっていきます」。気持ちは切れていない。