大関豪栄道(31=境川)が、昨年秋場所以来2度目の優勝を逃した。1差リードしていた横綱日馬富士との結びの一番に寄り切りで敗れ、11勝4敗。優勝決定戦は立ち合いで瞬時に懐に入られ、押し出された。

 力とスピードに屈した2番を終えて「横綱が上でしたね。完敗です」。この日の朝稽古後に「腹を据えて、やるべきことをやるだけ」と話していたが、何もさせてもらえなかった。

 痛恨のV逸だ。11日目を終え、後続に2差つけながら、初優勝時には感じなかったという重圧にのみ込まれて、12、13日目に連敗し、流れを失った。それでも、3横綱2大関が休場した異例の場所を終盤まで主役として引っ張ったことは紛れもない事実だ。「いつか、この経験があったから…と言える相撲人生にしたいです」。31歳。大関在位19場所。年齢的に若くはないが、これからも2度目の優勝、そして横綱の夢を追いかける。