新入幕の東前頭16枚目朝乃山(23=高砂)が敢闘賞を受賞した。

 勝てば、受賞という条件付きの一番。「今場所最後だったので、自分の相撲をとることだけを考えました」と、今場所の主役の1人だった千代大龍を堂々たる押し出しで破って10勝5敗とした。

 学生相撲の西の名門・近大から角界入り。昨年3月の初土俵(三段目)から負け越しがないまま、所要9場所で入幕した。「せめて勝ち越しを、と思っていて、こういう結果(10勝5敗の敢闘賞)は誰も思ってなかったと思う。自分が1番驚いていますから」。前日に阿武咲に敗れるまで、優勝した日馬富士と同じ4敗を守った。「ふがいない相撲で優勝争いから脱落した。部屋に帰ったら、師匠(高砂親方)に『何緊張してんだ。思い切っていけ』と言われました」と、気持ちを切り替え、千秋楽に臨んだ。

 三賞の賞金、懸賞金を手にした。「もらえるのは関取からですんで、ようやくプロになった感じがして、うれしいです。十両と違って、幕内での10勝は自信になります」。自信を深めた大器が、11月の九州場所でさらなる飛躍を狙う。