大相撲の貴乃花親方(元横綱)が、10月下旬に鳥取市内で弟子の平幕貴ノ岩関に暴力を振るった横綱日馬富士関側に対し、民事訴訟などの法的手段を検討する意向を日本相撲協会の事情聴取で示唆していたことが18日、協会関係者の話で分かった。

 貴乃花親方は問題が発覚した14日、協会執行部の事情聴取を受けた。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)によると、貴乃花親方は席上で「(第三者を)立てなければいけないことになるかも」と法的措置を示唆した。関係者によると、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)から3日に電話で聞き取りを受けた際にも、弁護士に相談している旨をうかがわせたという。

 提訴すれば、元横綱の現職理事が現役横綱を訴える異例の事態。貴乃花親方に鳥取県警への被害届を取り下げる意思はないという。

 春日野部長は、14日の聴取で同席した日馬富士関の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が貴乃花親方に対し、「悪かった。ただ他の力士もいるから、(訴えるのは)場所後にしてもらえないか」と謝罪したことも明かした。