2勝2敗で5番相撲を迎えた西幕下13枚目の豊ノ島(34=時津風)が、東幕下11枚目の若隆景(22=荒汐)を押し出しで破り、勝ち越しに王手をかけた。

 相手の若隆景は、東洋大で実績をあげ今年3月の春場所、三段目最下位格(100枚目)付け出しデビュー。所要5場所で番付を上げてきた。その若隆景とは先場所で初対戦。仕切り中に「相手の動揺が見えた」と心の揺れを見逃さず、速攻相撲で押し出した。

 この日の相撲も、まさに再現VTRを見ているかのような内容。力強い踏み込みで立ち合いを制すると、左をのぞかせ、右はハズ押しで前に。休まず一気の押しで相手に相撲を取らせなかった。

 白星発進から勝ち負けが交互に続き3勝2敗。6番相撲は、白黒が交互に続く“ヌケヌケ”を脱し1発で勝ち越しを決めたいところ。「思い切って踏み込むという、土俵に上がる前に考えていた通りの相撲が取れました」と会心の一番を振り返り「精いっぱい、頑張りますよ」と悔いなく場所を締めくくる意気込みを口にしていた。